ファッションセンスを磨こう!衣装がおしゃれな映画50選
豪華なドレスやハイブランドなど素敵な衣装の数々は、映画を見る楽しみのひとつ。
また映画の中の衣装は登場人物の心情や立場を表現したり、時には映画そのものの世界観を担う重要なファクターとなります。
ここでは優れた衣装が心に残るおしゃれ映画50本をご紹介。
映画を彩るファッションをお楽しみください。
アップタウン・ガールズ
公開:2003年
製作国:アメリカ
監督:ボアズ・イェーキン
出演:ブリタニー・マーフィー、ダコタ・ファニング ほか
親の遺産でぬくぬくと能天気なセレブ生活を送っていたモリー。ところが会計士にすべて持ち逃げされ一文無しに。神経質で大人びた8歳の女の子レイの子守として働き始めますが…。
噛み合わない2人の交流をコミカルに描いたハートウォーミングなコメディです。
おしゃれ大好きなモリーは、家を失っても洋服たちは手放せません。
シフォンやオーガンジー素材に華奢なミュールといった2000年代前半のスタイル、リメイクデニムのジャンバースカートやサッカー地のアップリケ付きワンピースなど、心躍るコーディネートがてんこ盛り。
2009年に32歳の若さで亡くなったブリタニー・マーフィーがキラキラ輝く自由奔放な演技。子役時代のダコタ・ファニングもパーフェクトです。
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アンダー・ザ・シルバーレイク
公開:2018年
製作国:アメリカ
監督:デヴィッド・ロバート・ミッチェル
出演:アンドリュー・ガーフィールド、ライリー・キーオ ほか
A24製作による一風変わった世界観のミステリー。
ロサンゼルスに住む無職のサムは一目惚れした隣家の美女の失踪事件の謎を追ううちに、やがて大きな陰謀に巻き込まれていきます。
音楽や映画などのポップ・カルチャーへの愛や皮肉に溢れ、「ゼルダの伝説」など懐かしのゲームも重要なアイテムとして登場するのでサブカル好きには堪りません。
80年代メイクとホルターネックの水着にファーコートを合わせたり、ニューエイジ風あり、ネオンカラーや柄スパッツ(レギンスではない笑)といったダサいスタイルあり、女の子たちのコスチュームのひとつひとつから、さらには主人公のTシャツに至るまで、衣装にも並々ならぬこだわりが感じられます。
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イヴ・サンローラン
公開:2014年
製作国:フランス
監督:ジャリル・レスペール
出演:ピエール・ニネ、ギヨーム・ガリエンヌ ほか
世界的なファッションデザイナー、イヴ・サンローランの華々しい栄光と、その陰の苦悩を描いたフランスの伝記映画です。
21歳でクリスチャン・ディオールの後継者となり鮮烈なデビューを果たしますが、次第に精神を病み、アルコールやドラッグに溺れていく様がリアルに描かれています。
本作では公私ともにサンローランのパートナーであったピエール・ベルジェが全面協力、イヴ・サンローラン財団所有のドレスが貸し出され、初のブランド公認の映画となりました。
作中に登場する「本物」は実に見ごたえがあります。
サンローランの没後5年となる2014年には本作のほか、ベルトラン・ボネロ監督、ギャスパー・ウリエル主演の「SAINT LAURENT/サンローラン」も製作されています。
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エンパイア レコード
公開:1995年
製作国:アメリカ
監督:アラン・モイル
出演:リヴ・タイラー、アンソニー・ラパーリア、マックスウェル・コールフィールド、ロリー・コクレーン、レネー・ゼルウィガー ほか
老舗レコード店「エンパイアレコード」で働く若者たちのドタバタな一日を描いた青春コメディ。
レコード店でバイトというシチュエーション、圧倒的な90年代の空気感に、世代を問わず心奪われること請け合い。
それぞれに問題を抱えていますが、ピュアでクレイジーでなんとも楽しそうな彼らをビクターの犬が眺めているのがシュールです。
登場人物全員キャラが立っていて、そのファッションも、王道グランジ、ショートトップスのへそ出しやモードなセクシーラインなど、当時の様々なスタイルが集結しているのが見どころ。
今やミドルエイジのキャストたちが瑞々しく、レネー・ゼルウィガーの弾けた歌にテンション上がります!
女は女である
公開:1961年
製作国:フランス、イタリア
監督:ジャン=リュック・ゴダール
出演:ジャン=クロード・ブリアリ、アンナ・カリーナ、ジャン=ポール・ベルモンド ほか
子作りを巡る若い夫婦のドタバタを描いた名匠ジャン=リュック・ゴダールの初期の1本です。
音楽や効果音の使い方や、カメラワークなども遊び心に溢れています。
主演のアンナ・カリーナとゴダールは当時新婚ホヤホヤでした。(後、1965年に離婚しています。)
衣装やインテリアはトリコロールカラーの配色でまるでポストカードのよう。
本のタイトルを見せ合ってケンカしたり、アパートの部屋を自転車で走ったりと、60年前とは思えないほど粋な演出。
アンナ・カリーナは、パジャマやローブ、ランジェリー、お団子やツインテールのヘアアレンジ、メイクやお出かけスタイルなど、犯罪級にコケティッシュです。
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オンネリとアンネリのおうち
公開:2014年
製作国:フィンランド
監督:サーラ・カンテル
原作:マリヤッタ・クレンニエミ
出演:アーヴァ・メリカント、リリャ・レフト ほか
いつも仲良し、ちょっぴりおませな女の子オンネリとアンネリは、素敵な水色の家を手に入れて一緒に暮らし始めます。
個性豊かなご近所さんたちと賑やかに過ごし、力を合わせて泥棒だって退治しちゃうのです。
大人の心も癒してくれる児童文学が原作の優しい物語。
衣装、インテリアや小物、スイーツ、花で溢れた庭、すべてが色彩豊かで、女の子が好きなものがいっぱい詰まっています。
オンネリとアンネリは、色違いの帽子やワンピースでおめかししたり、お揃いのシャワーキャップで泡風呂に入ったりと、なんともおしゃまなレディーたち。
続編「オンネリとアンネリのふゆ」(2015年)、「オンネリとアンネリとひみつのさくせん」(2017年)も製作されています。
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ガールフレンズ
公開:2008年
製作国:アメリカ
監督:マイケル・レンベック
出演:エレン・マーロウ、エリザベス・マクラフリン ほか
田舎者のクレアが引っ越したのはスクールカーストのトップに君臨するセレブのお嬢様マシーの家。手強いマシーのグループにいじめられながらも、クレアはやがて強かに反撃に出るのです。
ガールズムービーの王道をいくようなストーリーですが、主人公たちはローティーン。
ありがちないさかいや意地悪にも、素直で浅はかな子供らしさがあり、ハイティーンの映画とは違った趣があります。
お嬢様たちのファッションは毎日手が込んでいてそれぞれ個性的でもあり、大人顔負けの桁違いなお金とエネルギーの注ぎ込みようがむしろ清々しい。
「ドント・ブリーズ」(2016年)で強盗を働いていたディラン・ミネット、ディズニー・チャンネルで人気のブリジット・メンドラーらも出演しています。
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カフェ・ソサエティ
公開:2016年
製作国:アメリカ
監督:ウディ・アレン
出演:ジェシー・アイゼンバーグ、クリステン・スチュワート、ブレイク・ライヴリー ほか
1930年代のハリウッドとニューヨークを舞台に、2人の女性の間で揺れ動く男性の恋を描いたウディ・アレン監督のラブ・コメディ。
当時の粋な音楽や華やかな上流階級の世界に引き込まれます。
ウディ・アレンの世界観を味わいつつ、旧作より見やすいのでおススメです。
ウディ・アレン作品はどれをとってもおしゃれですが、本作の衣装はとにかく豪華。
クリステン・スチュワートとブレイク・ライヴリー演じる2人のヒロインのドレスなど数点をシャネルが本作のために製作。また、当時のデザインを再現したジュエリーも提供しています。
優雅なドレスだけでなく、ピンクや白を基調としたクラシックで上品なワンピースやカジュアルスタイルなどもため息の出るセンスの良さです。
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キット・キトリッジ アメリカン・ガール・ミステリー
公開:2008年
製作国:アメリカ
監督:パトリシア・ロゼマ
出演:アビゲイル・ブレスリン、クリス・オドネル、ジュリア・オーモンド ほか
1934年、新聞記者を夢見る10歳の少女キット・キトリッジが、奇妙な下宿人たちやホーボーの人々を取材したり、盗難事件を解決したりと大活躍。
大恐慌時代が子どもの目線で分かりやすく描かれ、暗い時代ではありますが重くなりすぎずコミカルでハートフルな物語になっています。
1930年代の女性は、ウェーブヘアにフェミニンでエレガントなラインのファッション。柔らかいワンピーススタイルが綺麗です。
おませなキットも、ワンピースに透かし編みのカーディガンやニットの帽子を合わせたりとてもおしゃれさん。
安定した可愛さの子役時代のアビゲイル・ブレスリンや、元気いっぱいで愛らしい子どもたちに笑顔になれますよ。
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去年マリエンバートで
公開:1961年
製作国:フランス、イタリア
監督:アラン・レネ
出演:デルフィーヌ・セイリグ、ジョルジュ・アルベルタッツィ、サッシャ・ピトエフ ほか
ヌーヴェル・ヴァーグを代表するアラン・レネ監督によるモノクロ作品。
宮殿のように壮麗なホテルで再会した男女を巡る幻想的なミステリーで、時系列や視点が交錯し、ストーリーは難解なことで有名です。
第22回ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を受賞しました。
シンメトリーの構図、バロック風の美術や装飾、アートのような映像だけでも見ごたえ充分です。
本作は、デルフィーヌ・セイリグの衣装をシャネルが提供していることでも知られています。
レースやチュールの上品なブラックドレス数点や、プリーツやドレープが美しいシフォンドレスなどが登場。
2019年、シャネルの全面支援により完全修復されたデジタルリマスター版が公開されました。
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恋とスフレと娘とわたし
公開:2007年
製作国:アメリカ
監督:マイケル・レーマン
出演:ダイアン・キートン、マンディ・ムーア、ガブリエル・マクト ほか
女手ひとつで三姉妹を育てたパティシエのダフネ。失恋したばかりの末娘の将来を案じ、パートナーを見つけようとこっそり個人広告を出しますが…。
母と娘たちが騒動を通して幸せを見つけるテンポの良いロマンティック・コメディです。
おしゃれな大人のお手本ダイアン・キートンは、本作では下着姿も披露したりとてもパワフルです。
ピンクや水玉のフレアワンピースも肌の露出を抑えて上品に。ちょっとしたスカーフ使いも真似したいスタイル。
三姉妹の水玉ドレスに合わせた水玉ケーキなど、作中のスイーツも可愛らしい。
「SUITS/スーツ」(2011年~2019年)主演以前の若いガブリエル・マクトもめちゃイケメンですよ。
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恋におちたシェイクスピア
公開:1998年
製作国:アメリカ、イギリス
監督:ジョン・マッデン
出演:グウィネス・パルトロー、ジョセフ・ファインズ、ジュディ・デンチ、ジェフリー・ラッシュ、コリン・ファース ほか
芝居好きな資産家の娘ヴァイオラと劇作家シェイクスピアの悲恋を、「ロミオとジュリエット」や「十二夜」になぞらえたロマンティックな物語です。
第71回アカデミー賞では作品賞、衣装デザイン賞など7部門で受賞、男装も麗しいグウィネス・パルトローは主演女優賞を受賞しました。
上流階級の世界から庶民の暮らしぶりまで楽しめるのも本作の魅力。
エリザベス朝の貴族のご婦人たちはこぞって白塗りの顔にボリュームのあるウィッグ。男女問わず大きなひだ襟も主流でした。
衣装デザインは3度のアカデミー賞衣装デザイン賞受賞を誇るサンディ・パウエル。上質な素材や細かい装飾が見事です。
庶民の男性もフリルやギャザー多めのスタイルだったんですね。
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ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール
公開:2014年
製作国:イギリス
監督:スチュアート・マードック
出演:エミリー・ブラウニング、オリー・アレクサンダー、ハンナ・マリー ほか
ロックバンド「ベル・アンド・セバスチャン」のスチュアート・マードックの初監督・脚本作品。
ベルセバの出身地スコットランド、グラスゴーを舞台に、拒食症の少女と音楽仲間の青春を描いたミュージカル映画です。
2014年サンダンス映画祭で審査員特別賞を受賞しました。
グラスゴーの情景とポップで甘酸っぱい音楽が世界観を作り上げ、自然体で、作り手のセンスを感じさせる1本です。
エミリー・ブラウニングの小鳥のような歌声や、純粋な3人のビジュアルがとても魅力的。
普段着の着回しや古着風のワンピース、60’s風カチューシャ使いといった等身大のファッションもこだわりが伝わってきます。
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ザ・クラフト
公開:1996年
製作国:アメリカ
監督:アンドリュー・フレミング
出演:ロビン・タニー、フェアルザ・バルク、ネーヴ・キャンベル ほか
転校生のサラは霊感の強さから、学校の魔女と言われる3人組の仲間に引き入れられます。やがて彼女たちは黒魔術を使って美貌や彼氏を手に入れたり、いじめられた相手に仕返しをしたりと願いを叶えていきますが、身の丈以上の力を得た彼女たちの関係はバランスを崩し始め…。
女子高生+黒魔術の学園オカルトファンタジーです。
終盤は虫や爬虫類、齧歯類が苦手な方はご注意を。
4人の制服ゴスは今見ても色褪せません。中でもフェアルザ・バルクは本格的ゴスファッションとメイクでダントツの存在感。
ロビン・タニーは「エンパイア レコード」(1995年)で坊主頭にしたため、かつらを被って撮影したそう。
2020年にはリブート作品「ザ・クラフト: レガシー」が製作されています。
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ザ・ハッスル
公開:2019年
製作国:アメリカ
監督:クリス・アディソン
出演:アン・ハサウェイ、レベル・ウィルソン ほか
南フランスの高級リゾート地を舞台に、一流詐欺師ジョセフィーヌと、ちょっぴりおデブな女詐欺師ペニーの熾烈な争いを描いたコメディ。
アン・ハサウェイの体当たり演技とレベル・ウィルソンの絶妙な下品さ。息の合った2人の掛け合いはビール片手に気楽に楽しみたい。
30代後半となったアン・ハサウェイですが、変わらぬ美しさは世の女子の憧れ。
セクシーでゴージャスなドレスから、リゾート地ならではの白のパンツスタイルに女優帽、エスニックやモダンなコーディネートまで、期待を裏切らない七変化で、一流詐欺師らしく場面ごとに多種多様な衣装で登場します。
ラストシーンのドレスには騙されますよ。
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ザ・ロイヤル・テネンバウムス
公開:2001年
製作国:アメリカ
監督:ウェス・アンダーソン
出演:ジーン・ハックマン、アンジェリカ・ヒューストン、グウィネス・パルトロー、ベン・スティラー、ビル・マーレイ ほか
ウェス・アンダーソン監督の出世作である本作は、少し奇妙なテネンバウム家の騒動と家族の再生を描いた物語。
独特の色合い、緩さとワクワクのウェス・アンダーソンの世界観です。
本作で第59回ゴールデングローブ賞主演男優賞を受賞した名優ジーン・ハックマン、ほか監督作品常連の豪華キャストが続々登場。
効果的に使われる赤の差し色や、3兄妹それぞれのスポーツファッションなど、衣装も非常に凝っています。
グウィネス・パルトロー演じる長女がラコステのポロワンピの上に羽織っているのは、「グランド・ブダペスト・ホテル」(2014年)でもファーを提供したフェンディのファーコートです。
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さらば青春の光
公開:1979年
製作国:イギリス
監督:フランク・ロッダム
出演:フィル・ダニエルズ、レスリー・アッシュ、スティング ほか
1960年代のイギリスを舞台に、当時の若者文化として流行した「モッズ」と「ロッカーズ」の対立を描いた青春映画。
モッズ・カルチャーを代表するバンド、ザ・フーのアルバム「四重人格」を原作としています。
フレッドペリーのポロシャツや細身のジャケットスタイルにモッズコート、カスタムスクーターといったモッズ・アイテムは、時代を感じさせないほどスタイリッシュ。
一方、ロッカーズは革ジャンにジーンズ、リーゼントといったスタイルのバイカーズで、双方のファッションや音楽、ライフスタイルの違いも興味深いですね。
モッズのカリスマ的存在としてスティングが出演しているのも見どころです。
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※2021年8月の情報です。最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。