映画「スプリー」ネタバレあらすじ・配信サイト－ジョー・キーリー主演。SNSの恐怖を描くコメディ・スリラー

10年間まったく注目されないライブストリーマーのカート。バズりたいがためついに狂気の配信を始める…。
「ストレンジャー・シングス 未知の世界」のジョー・キーリー長編映画初主演作。

 

公開：2021年

製作国：アメリカ

上映時間：93分

ジャンル：スリラー、コメディ、クライム

監督：ユージーン・コトリャレンコ

出演：
ジョー・キーリー
サシーア・ザメイタ
カイル・ムーニー
ミーシャ・バートン
ジョシュ・オバージェ
デヴィッド・アークエット　ほか

 

 

※本記事にはネタバレ、結末が含まれています。

作品概要

ウクライナの新鋭ユージーン・コトリャレンコ監督による、フォロワー至上主義のSNSの恐怖を描いたコメディ・スリラー。
SNSで注目されたいがために凶行に及ぶ男の顛末がブラックな笑いとともに描かれます。
サンダンス映画祭でプレミア上映され、33スクリーンでの公開ながら全米初登場9位という実績を残しました。

主演は、Netflixのドラマシリーズ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」（2016～）でブレイクしたジョー・キーリー。
SNSの女王ジェシーには「サタデー・ナイト・ライブ」で知られるサシーア・ザメイタ、ジャンキーな父親役にはアークエット一家の末っ子、デヴィッド・アークエット。さらにミーシャ・バートン、カイル・ムーニー、ララ・ケント、フランキー・グランデといった個性的なキャストが脇を固めています。

映画「スプリー」ネタバレあらすじ

「スプリー・キラー」とは、短期間のうちに複数の場所で殺人を行った犯人のこと。
（Wikipediaより）

カートは10年間、SNSにコンテンツを投稿し続けている。
だが、フォロワーは一向に増えず行き詰っていた。
ライドシェアアプリ「スプリー」のドライバーを始め、仕事中も配信するがチャンネルの視聴者数は常に一桁。
かつてシッターをしていた少年ボビーの方が、今や人気インフルエンサーになっていた。
なんとしてもバズりたい！
その日、カートは車の中にカメラを何台も設置して、「レッスン」なるライブ配信を開始する。

最初の乗客はレイシストの白人男性。
カートに勧められるままサービスの水を飲んで死んだ。
次に乗せた女性客も、ペットボトルの水によりあっさり死亡。
手作り毒入りペットボトルをカートが何本も仕込んでいたのだ。
カートはカメラに向かって余裕の表情で、後処理まで得意気に説明する。

次に横柄なチャラ男を乗せ、さらに別の客も拾うと、それは人気コメディアンのジェシーだった。
彼女のフォロワー数は桁違いだ。
だが、ここぞとばかりにタグ付けをしつこくせがむカートと男の失礼な態度に腹を立て、ジェシーは車を降りてしまった。
カートは人目につかない空地に来て男を車から追い出すと、容赦なく撥ね飛ばした。

ここまでやって視聴者は最多でたった6人。
なかなかシェアしてくれないボビーを責めるが、「退屈な古いフェイクだ」と相手にされない。
もっと刺激的な映像を要求され、カートは苛立ちながらも次の仕事へ。

夜になり車内をライトアップして、パリピな3人組を乗せる。
穴場の絶景ポイントに案内すると言って、廃車置き場へ連れて来た。
後部座席の2人がサンルーフから身を乗り出してはしゃいでいるところで、カートはルーフを閉め、2人は身動きが取れないまま野犬に襲われる。
もう1人も工具で難なく殺害した。

しかし、バズる気配すらない。
カートは「7人も殺したのに！」とボビーに訴えるが、「センスがない」と馬鹿にされる。
大人気のジェシーのチャンネルにケチをつけ、「不公平だ」と怒りを募らせるのだった。

それからボビーの家に押しかけるが、ボロくそに罵倒され、堪らずナイフで彼の腹を刺す。
抵抗されたので家にあった銃で頭を撃ち抜いて殺した。
一切が配信されていたがそれでも視聴者には信用されず、ふざけたコメントばかりだ。
しかしおかげで視聴者は3桁になり、カートは大喜び。
ボビーのアカウントも乗っ取った。

このあと、100万人に配信されるというジェシーのライブに乗り込んでやるつもりだったが、父親から呼び出される。
父親はヤク中のパッとしないDJだ。
今夜の特別ゲストのDJウノにタグ付けを頼んでやるというので、渋々クラブまで送ることに。
しかしウノは何万もの視聴数を稼ぐ有名人。タグ付けはあっさり拒否され、視聴者にけなされる有様。

ウノがタコス屋台へ行きたいと言い出し、カートはタグ付けを条件に店に連れて行った。
タコスを買っている間、車で待っていたウノは、車内にあったボビーの銃をいじくりまわし、毒入りペットボトルの水を飲んで気を失ってしまう。
そこへ警官が2人やってきてカートに職務質問していると、ウノが目覚め、混乱して警官を撃ってしまった。
ウノは走って逃げ、もう一人の警官がウノを追い、カートは逃走。
それから興奮状態でパトカーとカーチェイスを繰り広げた挙句、ホームレスのたまり場へ突っ込んでいった。
車は大破するが、視聴者数は10000を越えていた。

事故から生還したカートは、ジェシーのライブにやって来る。
既に30000にも及ぶ視聴者がカートを見ていた。
銃を構えてほくそ笑むカート。
ところがジェシーはステージで、昼間会ったSNS中毒の哀れなスプリーのドライバーをネタにした。
SNSに依存することを否定し、SNSをやめると宣言して舞台上でスマホを叩き壊して喝采を浴びる。
カートはどうすることもできずライブハウスを飛び出した。

いよいよ事件が明るみになり、スプリーは営業停止。
カートは別のアプリで車を呼んで運転手を殺すと、ドライバーになり替わり、ライブ終わりのジェシーを迎えに行った。
馴れ馴れしく話しかけてくる運転手が昼間のドライバーだと知り、恐くなったジェシーは降ろしてくれと頼むが、カートは勝手にイカれたことを喋り続ける。
ライブで携帯を壊してしまったジェシーは連絡もできない。
後ろから充電ケーブルでカートの首を絞め逃げ出そうとするが、逆に殴られて気絶してしまった。

カートは自宅の庭にジェシーを運ぶ。
ジェシーをどうするかのアンケートの結果、「殺す」がダントツ1位。
とうとう50000にも達した視聴者が次々と煽ってくる。
轢き殺そうとするが、目を離した隙にジェシーがいなくなってしまった。
カートが焦って車を降りて探していると、ジェシーが車を乗っ取って形勢逆転。
ジェシーがカートを追って、そのまま家の中へ突っ込んだ。
するとその騒ぎにラリッた父親が現われ、ソファーの後ろで死んでいる母親を発見。
仕事前にカートが殺していたのだ。
動揺する父親に、カートは何発も銃弾を撃ち込んだ。
その隙をついてジェシーは車を出し、カートめがけて突進して壁に激突。
車と壁に挟まれそれでもまだ生きているカートを、ジェシーはスマホで何発も殴りつけてとどめを刺した。

念願叶ってついにバズったカートの動画は、その後、フォロワーたちによって編集され、映画「スプリー」が完成した。

まとめ

母親殺しに始まり父親殺しに終わるカートの「レッスン」
サイコパスの男が破滅に向かうストーリーは定石通りではありますが、全編がカメラ映像のみで展開し、テンポ良くライブ感ある演出です。
刻々と視聴者数が変わりコメントが流れていくスマホ画面はリアルで、スプリー・キラーもものともしないSNSの恐怖を描き出しています。

ジョー・キーリーのキモオタ全開のイカれた演技にも注目です。
エスカレートしていく狂気を、実に活き活きと演じているのが印象的。

それほどグロいシーンはありませんので苦手な方も楽しめます。

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