ファッションセンスを磨こう！衣装がおしゃれな映画50選
プラネタリウム
公開：2016年
製作国：フランス、ベルギー
監督：レベッカ・ズロトヴスキ
出演：ナタリー・ポートマン、リリー＝ローズ・デップ、ルイ・ガレル ほか
1930年代、アメリカからパリにやって来た霊能力者の姉妹の数奇な運命を描いたドラマ映画。
眼鏡姿も知的な美貌のナタリー・ポートマン、父ジョニー・デップと母ヴァネッサ・パラディ譲りの端正な顔立ちのリリー＝ローズ・デップが美しい姉妹を演じています。
衣装デザインは「SAINT LAURENT／サンローラン」（2014年）でセザール賞を受賞したアナイス・ロマン。
姉はフェミニンなワンピースや、当時流行したパンツスタイルやトリコロールカラーのマリンルック、一方、妹は幼さの残るガーリーなスタイルです。
パーティーシーンでの来客の衣装は、エルザ・スキャパレッリ、ランバンなどの当時のオートクチュールのドレスを使用しているそう。
|
||||||||||||
プリシラ
公開：1994年
製作国：オーストラリア
監督：ステファン・エリオット
出演：テレンス・スタンプ、ヒューゴ・ウィーヴィング、ガイ・ピアース ほか
シドニーに住むドラァグ・クイーンの3人が、オーストラリアの砂漠のど真ん中の田舎町でショーに出演するためオンボロのバス「プリシラ号」で旅に出る…。
トラブル続きの珍道中で様々な人に出会い、ププッと吹き出し胸にジンとくるロード・ムービーです。
テレンス・スタンプはいぶし銀の演技。ヒューゴ・ウィーヴィング、ガイ・ピアースはともに本作で名を知られるようになりました。
胸が高鳴る音楽と、壮大な大地に映える原色の衣装に一気に惹きこまれます。
二度見必至の奇抜なビーサンのドレスなど、目にも楽しいコスチュームを生み出したのはオーストラリアの衣装デザイナー、リジー・ガーディナー。
本作で第67回アカデミー衣装デザイン賞を受賞しました。
|
||||
プリティ・ワン たったひとつの恋とウソ。
公開：2013年
製作国：アメリカ
監督：ジニー・ラマルク
出演：ゾーイ・カザン、ジェイク・ジョンソン ほか
田舎で暮らす内気なローレルと、街へ出て成功した社交的なオードリーは一卵性双生児。事故で亡くなったオードリーをローレルと間違われ、ローレルはオードリーとして生きることにします。
別人の人生を通して自分を見つけていく叙情的な世界観のドラマ・コメディ。
「ルビー・スパークス」（2012年）然り、少し風変りな雰囲気の役がピッタリのゾーイ・カザンが一人二役を演じています。
衣装はクラシカルなスタイルで、柔らかな色味のローレルに対して、オードリーはコバルトブルーにマスタード、緑とピンク、サックスとブラウンといったモダンな配色。女子力の高いゾーイならではのショートパンツや水着姿も見逃せません。
|
||||||||||||
プルートで朝食を
公開：2006年
製作国：アイルランド、イギリス
監督：ニール・ジョーダン
出演：キリアン・マーフィー、リーアム・ニーソン ほか
アイルランドの小さな町に住むトランスジェンダーのパトリックの数奇な人生を描いたヒューマン・ドラマ。
孤独や苦悩をファニーな表情の裏に隠し前向きに生きるパトリックと、寄り添う人々の優しさが胸を打ちます。
重い背景を軽やかに描き、名曲「Suger Baby Love」や可愛らしいコマドリの会話、詩的な映像や表現も透明で心地よい空気感です。
おしゃれ大好きパトリックはハイセンスな70年代ファッション。学校の制服のセーターにボタンをたくさん縫い付けるアレンジも微笑ましい。
巻き毛で美しい瞳のキリアン・マーフィーは、同年製作の「バットマン ビギンズ」ではスケアクロウを演じ、役の幅広さにも驚かされます。
キリアンと同じくアイルランド出身のリーアム・ニーソンの深みのある演技もさすがです。
|
||||||
ブルックリン
公開：2015年
製作国：カナダ、アイルランド、イギリス、アメリカ
監督：ジョン・クローリー
出演：シアーシャ・ローナン、エモリー・コーエン、ドーナル・グリーソン ほか
1951年、アイルランドからニューヨーク・ブルックリンへ単身移り住んだ若い女性の人生の選択を描いたドラマ映画。
「17歳の肖像」（2009年）などのニック・ホーンビィの脚本、シアーシャ・ローナンの静かながらも繊細で確かな演技は高く評価され、第88回アカデミー賞では作品賞、脚色賞、主演女優賞にノミネートされました。
ジョン・クローリー監督はじめシアーシャ・ローナン、ドーナル・グリーソンもアイルランド出身です。
地味で内向的な主人公が、恋をしてニューヨークにも馴染み変貌していく様は衣装やメイクでも巧みに表現されています。
他の作品より少しふっくらしたシアーシャに、ギャザーたっぷりのふんわりスカートや明るい色使いの50年代スタイルがよく似合っていますね。
|
||||||||||||||
ヘザース ベロニカの熱い日
公開：1989年
製作国：アメリカ
監督：マイケル・レーマン
出演：ウィノナ・ライダー、クリスチャン・スレーター、シャナン・ドハーティー ほか
意地の悪いお嬢様3人組「ヘザース」に辟易するベロニカの前に現れた怪しげな転校生JD。その危ない世界に引き込まれた末には…。
学園ものガールズムービーとは一線を画す、かなりブラックでシニカルな、現在でもカルト的な人気の青春映画です。
当時ブレイク寸前のウィノナ・ライダーとアイドル的人気だったクリスチャン・スレーターの魅力が満載。
ソバージュヘアに派手な色使い、分厚い肩パットのジャケットといったリアルな80年代後半～90年にかけてのファッションは、若い世代には新鮮に映るかもしれませんね。
ベルトやブローチ、カラータイツといった小物使いもとても可愛いですよ。
|
||||||||
抱擁のかけら
公開：2009年
製作国：スペイン
監督：ペドロ・アルモドバル
出演：ペネロペ・クルス、ルイス・オマール ほか
視力を失った初老の脚本家が、かつて愛した女優との悲しい運命を語る物語。
名匠ペドロ・アルモドバル監督らしく、ドロドロとした復讐劇やサスペンス展開になっています。
アルモドバル監督作品はどれも、色彩豊かな映像でインテリアや衣装もファッショナブル。
本作は監督のミューズ、ペネロペ・クルスの美しさが存分に堪能できる1本です。
グレイのキャリアスーツや、鮮やかな赤、デニムのホットパンツ姿、劇中劇で見せるヘプバーン風ポニーテールでレトロなスタイル、モンロー風のブロンドでセクシーなドレスなど、くるくると変わる衣装を見事に着こなしています。
|
||||||||
マーヴェリック
公開：1994年
製作国：アメリカ
監督： リチャード・ドナー
出演： メル・ギブソン、ジョディ・フォスター、ジェームズ・ガーナー ほか
時は西部開拓時代、天才ギャンブラーと女詐欺師、保安官がポーカー大会へ向かう旅をともにすることになる騙し騙されの小気味いいコメディ。
西部劇と言ってもガンマンも決闘もなく、程よいアクションと軽妙なテンポでエンタメ感が楽しい作品です。
監督はメル・ギブソンの当たり役「リーサルウェポン」のリチャード・ドナー。
1957年～1962年のテレビシリーズでマーヴェリックを演じたジェームズ・ガーナーが本作で保安官を演じています。
ジョディ・フォスターには珍しいコメディで、ドジな姿もなんとも愛らしい。
酒場でのセクシーなドレスや、豪華な蒸気船での上品なドレス、レースの日傘を合わせたブラウススタイルなどうっとりする麗しさです。
|
||||||||||||||
マダムのおかしな晩餐会
公開：2017年
製作国：フランス
監督：アマンダ・ステール
出演：トニ・コレット、ハーヴェイ・カイテル、ロッシ・デ・パルマ ほか
パリに住む裕福なアメリカ人夫妻が開いた晩餐会の招待客が手違いで不吉な13人になってしまい、急遽メイドのマリアをセレブな招待客に仕立て上げますが…。
マリアの苦難と恋を通して階級社会を風刺したコメディ・ドラマです。
チャーミングなロッシ・デ・パルマ、圧巻の演技派トニ・コレット、2人の女優がとても魅力的で、名優ハーヴェイ・カイテルは少々薄く感じてしまいます(笑)。
ラグジュアリーなドレスやゴルフスタイルなどブルジョワマダムの羨ましいワードローブ。不倫相手と会う時にはプレゼントされたヴァンクリーフ&アーペルのネックレスを着けています。
パレ・ロワイヤルやセーヌ河畔など、パリの風景も盛りだくさんです。
|
||||||||||||||
メアリーの総て
公開：2017年
製作国：アイルランド、ルクセンブルク、アメリカ
監督：ハイファ・アル＝マンスール
出演：エル・ファニング、ダグラス・ブース、メイジー・ウィリアムズ、ベル・パウリー、ベン・ハーディ ほか
「フランケンシュタイン」の原作者メアリー・シェリーの波乱の人生を描いた伝記映画。
16歳で駆け落ちをして、わずか18歳の若さでかの名作を生み出したメアリーの葛藤と苦悩をエル・ファニングが演じています。
19世紀初頭のヨーロッパ女性は、胸の下で切り返したシュミーズ・ドレスなどのハイウエストのスタイルが主流でした。
本作では時代背景に合わせながらも現代風な要素を取り入れていて、実にファッショナブルな衣装。
トーンを落としたドレスは世界観に溶け込み、帽子の装飾なども丁寧に作られています。
スタイリッシュな燕尾服のデザインやアスコットタイとの絶妙な配色など、男性の衣装にも注目してみてください。
|
||||||||||||||||||||
メイジーの瞳
公開：2012年
製作国：アメリカ
監督：スコット・マクギー、デヴィッド・シーゲル
出演：ジュリアン・ムーア、アレクサンダー・スカルスガルド、オナタ・アプリール ほか
両親の離婚に振り回される6歳の少女メイジーが、自分の居場所を見つけていくドラマ映画。
健気なメイジーの瞳で見た大人たちの姿はグサリと胸を刺し、そして家族のあるべき姿を教えられます。
メイジーを演じたオナタ・アプリールちゃんが実に可愛らしく、大人を泣かせる名演技。おばあちゃんが日本人のクォーターだそう。
映像も音楽も優しくヨーロッパ映画のような本作は、インテリアや衣装のひとつひとつにも作り手の愛情を感じます。
メイジーの衣装のカラフルな配色や柄物のコーディネートは子どもらしく且つ絶妙なハイセンス。
衣裳デザインのステーシー・バッタトゥは「ブリングリング」（2013年）「The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ」（2017年）などのソフィア・コッポラ監督作品を始め多くの衣装デザインを手掛けています。
|
||||||||||||
女神の見えざる手
公開：2017年
製作国：アメリカ、フランス
監督：ジョン・マッデン
出演：ジェシカ・チャステイン、マーク・ストロング、ググ・バサ＝ロー ほか
裏切りと陰謀の渦に巻き込まれる敏腕女性ロビイストの戦いを描いた社会派サスペンスです。
複雑なストーリーですが、伏線回収やどんでん返しが気持ちよく、ジェシカ・チャステイン演じる強い女の媚びない潔さに見惚れます。
億を稼ぎ出すトップ・ロビイストが身に纏うハイブランドは戦う女の戦闘服。
チャステイン自身が衣装デザイナーとともに高級デパートへ出かけチョイスしたという、ピアジェ、サンローラン、バーバリーなどなど。
ピンヒールに真っ赤な口紅、赤や紫を差し色にした無駄のないシャープでタイトなスタイルは、勝負の世界を生き抜いてきた女性トップ・ロビイストならではの洗練された着こなしです。
|
||||||||||||||
歓びのトスカーナ
公開：2016年
製作国：イタリア、フランス
監督：パオロ・ヴィルズィ
出演：ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ、ミカエラ・ラマツォッティ ほか
緑豊かなトスカーナにある精神診療施設で出会った常に躁状態のベアトリーチェとうつ病のドナテッラ。心を病んだ2人の女性の胸に迫るロード・ムービーです。
重いストーリーとは対照的な、イタリアらしい眩しい太陽と明るい情景。
イタリア版アカデミー賞ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞では、作品賞、監督賞、主演女優賞など5部門で受賞しました。
ベアトリーチェは髪もメイクもボロボロですが、裕福な彼女が身に着けるのは美しい色合いの高級ブランド品。イタリアを代表する女優テデスキの悲哀とパワーに溢れた演技は圧巻です。
2人揃ってレトロなワンピースに身を包みクラシックカーで逃げ出すシーンも印象深い。
イタリアでは1978年の「バザリア法」で精神科病院が廃止されています。
|
||||||||||||
ラヴレース
公開：2013年
製作国：アメリカ
監督：ロブ・エプスタイン、ジェフリー・フリードマン
出演：アマンダ・セイフライド、ピーター・サースガード、シャロン・ストーン ほか
厳格な家庭で育った21歳のリンダは、ストリップバーの経営者チャックの虜になり結婚しますが、夫は暴力を振るい売春を強要、さらにリンダをポルノ映画に出演させるようになります。
伝説のポルノ女優リンダ・ラヴレースの半生を描いた伝記映画。
リンダ主演のポルノ映画「ディープ・スロート」（1972年）は興行収入約6億ドルとも言われる大ヒットとなったそう。
リンダのママはかつて誰よりもセクシーだったシャロン・ストーンです。
アマンダ・セイフライドは脱ぎっぷりも天晴で、カーリーヘアやヒッピー風の70年代スタイル、人形のようなレースのワンピースもとてもよく似合っています。
衣装デザインは「ショーシャンクの空に」（1994年）のフランク・ダラボン監督の妻カリン・ワグナーです。
|
||||||||
ローズマリーの赤ちゃん
公開：1968年
製作国：アメリカ
監督：ロマン・ポランスキー
出演：ミア・ファロー、ジョン・カサヴェテス ほか
若妻ローズマリーは、悪魔崇拝者の隣人により悪魔の子を身に宿すことになる…。
名匠ポランスキー監督による、言わずと知れた古典ホラーの名作です。
妊娠中というある種特異でデリケートな状況下で、妄想と現実の間に巧みに引き込まれます。
本作の大ヒットの翌年、ポランスキー監督は「シャロン・テート事件」により、妊娠8ヶ月だった妻シャロン・テートを失くしました。
ホラー作品でありながら注目なのは、若きミア・ファローの可憐な衣装の数々。
ワンカールのショートボブやベリーショートに、60年代のミニワンピース、タータンチェックのお出かけコーデ、ナイトガウンやネグリジェ、マタニティードレスまでも、怖さを忘れる可愛さです。
|
||||||||||||||
わたしはロランス
公開：2012年
製作国：カナダ、フランス
監督：グザヴィエ・ドラン
出演：メルヴィル・プポー、スザンヌ・クレマン ほか
当時若干23歳のグザヴィエ・ドラン監督による長編3作目となった本作は、第65回カンヌ国際映画祭のある視点部門に出品され、主演女優賞、クィアパルム賞を受賞しました。
トランスジェンダーのロランスと恋人フレッドとの激しくもせつない10年にわたる愛を映画いた物語。
時代は1990年代、世界のLGBTへの意識が徐々に変わりつつあった頃です。
ドラン監督らしいアーティスティックな映像と色彩美で、センス溢れる衣装も監督自身が手掛けています。
シルエットや細かいパーツまで90年代ファッションのクオリティも高く、絶妙に品のないマダムたちのコスチュームも楽しい。
Duran Duran、Depeche Modeなど懐かしすぎる音楽も多く使用されています。
|
||||||||||||||||
※2021年8月の情報です。最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。
