ファッションセンスを磨こう！衣装がおしゃれな映画50選
白雪姫と鏡の女王
公開：2012年
製作国：アメリカ
監督：ターセム・シン
出演：ジュリア・ロバーツ、リリー・コリンズ、アーミー・ハマー ほか
7人の小人のもとで修業をし、戦う「白雪姫」を描いたファンタジー。
可愛くて強いリリー・コリンズのプリンセスもさることながら、ジュリア・ロバーツの意地悪王妃の存在感に圧倒されます。
あまりにも繊細で壮麗なドレスの数々はデザイナーでありアートディレクターの石岡瑛子によるデザイン。
映画では「ドラキュラ」（1992年）で第65回アカデミー賞衣装デザイン賞を受賞、本作でも第85回アカデミー賞衣装デザイン賞にノミネートされています。
本作は2012年に73歳で他界した彼女の最後の作品となりました。本作までターセム・シン監督のすべての作品でタッグを組み、監督の映像美を支えたデザイナーでした。
芸術的な衣装は必見です。
|
||||||||||||||||
シングルス
公開：1992年
製作国：アメリカ
監督：キャメロン・クロウ
出演：ブリジット・フォンダ、キーラ・セジウィック、キャンベル・スコット、マット・ディロン ほか
シアトルの独身者専用アパートを舞台に恋愛や夢と現実の間で成長する若者を軽いタッチで描いた青春群像劇。
90年代にシアトルからブームを起こしたグランジロックを代表するパール・ジャム、サウンドガーデンなどの音楽やカメオ出演もあり、キャメロン・クロウ監督ならではの音楽へのこだわりを感じさせます。
名だたる俳優陣の若かりし姿も新鮮です。
音楽とともにグランジファッションが生まれたのもこの頃。
ソフトな素材のミニワンピースに黒のライダースと編み上げブーツ、チェックのシャツにフレアミニなど、グランジの定番アイテムでも女の子らしいコーディネートになっています。
|
||||||||
シングルマン
公開：2009年
製作国：アメリカ
監督：トム・フォード
出演：コリン・ファース、ジュリアン・ムーア、ニコラス・ホルト ほか
ファッションデザイナー、トム・フォードの初監督作品。
パートナーを事故で亡くし、自殺を決意する大学教授の長い一日を描いた物語です。
衣装はもちろん家やインテリア、小物まで一分の隙もなく、また心情に合わせた色彩の演出など、すべてがアートのよう。
身なりの良いスーツスタイル、黒ぶち眼鏡や小さめのウィンザーノットのタイが心憎いほどキマるコリン・ファース。
本作ではその繊細な素晴らしい演技で第82回アカデミー賞主演男優賞にノミネートされました。
子役時代から活躍するニコラス・ホルトも、若く美しい色気がムンムン。
コリン・ファースとニコラス・ホルトの衣装をトム・フォードが手掛けています。
|
||||||||||||
シンプル・フェイバー
公開：2018年
製作国：アメリカ
監督：ポール・フェイグ
出演：アナ・ケンドリック、ブレイク・ライヴリー ほか
シングルマザーのステファニーと、ファッション業界で働くエミリー。2人はママ友になるも、ある時エミリーが息子の迎えをステファニーに頼み、姿を消してしまった…。
ミステリアスな展開ながらもコメディ要素も多く、二転三転するストーリーで楽しめる1本です。
メンズライクなパンツスーツをセクシーに着こなすエミリーのスタイルは、お洒落なポール・フェイグ監督を参考にブレイク・ライヴリーが提案。実際に監督の私物のステッキが撮影に使用されています。
今作で難しい役に挑み新境地を切り開いた彼女はラストシーンまでクールです。
ステファニーを演じたアナ・ケンドリックは、元気な素人探偵にぴったりのポップでカジュアルなスタイルで、キレキレのラップも披露しています。
|
||||||||||||||
素敵なウソの恋まじない
公開：2015年（テレビ映画）
製作国：イギリス
監督：ディアブラ・ウォルシュ
出演：ダスティン・ホフマン、ジュディ・デンチ、ジェームズ・コーデン ほか
奥手な老紳士ホッピーさんは、同じアパートに住む未亡人シルバーさんに片想い中。シルバーさんが愛するペットのカメが成長しないことを悩んでいると知り、大胆な計画を実行しますが…。
「チャーリーとチョコレート工場」の作者ロアルド・ダールの児童向け小説「ことっとスタート」が原作のおとぎ話のような物語です。
ジュディ・デンチ演じるシルバーさんは、心優しく朗らかでアクティブなおばあちゃん。
いつも明るい配色のスタイリングで、バルコニーでの日光浴には大ぶりな花柄のサンドレス、ダンスや釣りにもTPOに合わせたキュートなスタイルと、おしゃれ心を忘れません。
|
||||||||||||||
すてきな片想い
公開：1984年
製作国：アメリカ
監督：ジョン・ヒューズ
出演：モリー・リングウォルド、アンソニー・マイケル・ホール、ポール・ドゥーリイ ほか
青春映画の巨匠ジョン・ヒューズ監督の監督デビュー作、ごく普通の女の子の16歳の誕生日を巡る騒動を描いたラブ・コメディです。
今も昔も共感を得る思春期の女子の気持ちの揺れ動きを演じるのは、「青春映画のナンバーワン女優」と言われたモリー・リングウォルド。
モリー、アンソニー・マイケル・ホールともに、ヒューズ監督の「ブレックファスト・クラブ」（1985年）にも出演しています。
ふわふわの聖子ちゃん風ショートヘアにピンクがよく似合うモリーは、カワイイ系80年代ファッション。
カットソーの袖をロールアップして、綿のギャザースカートにプラスティックのアクセサリー。当時ティーンだった世代には感涙ものの懐かしさです。
|
||||||||
ステップフォード・ワイフ
公開：2004年
製作国：アメリカ
監督：フランク・オズ
出演：ニコール・キッドマン、マシュー・ブロデリック、ベット・ミドラー、グレン・クローズ、クリストファー・ウォーケン ほか
キャリアを失い傷心のジョアンナは、夫と子どもたちとともにコネティカットのステップフォードに移り住みますが、やがて平和な町に隠された秘密を知ることとなり…。
1975年の同名サスペンスのリメイクで、本作の方はかなりコメディタッチです。
クセの強い豪華キャストの怪演も大いに笑わせてくれますよ。
閑静な住宅街の豪邸に住む奥様方は皆美しく、レトロでロマンティックなドレスが不気味さを引き立てています。
モノトーンのキャリア風から一転、ラブリーな衣装に身を包むニコール・キッドマン。バービー人形のような姿には思わず見惚れてしまいます。
|
||||||
ゼロの未来
公開：2013年
製作国：イギリス
監督：テリー・ギリアム
出演：クリストフ・ヴァルツ、メラニー・ティエリー、ルーカス・ヘッジズ、マット・デイモン ほか
近未来を舞台に、孤独で気難しいエンジニアが、魅惑的な美女や天才エンジニア少年らに振り回され「ゼロの定理」を解析していくSF作品。
なかなか難解な内容ではありますが、テリー・ギリアムの世界観が十二分に堪能できる1本です。
追いかけて来る広告や大量の禁止の標識といったキッチュな仕掛けや二つ折りピザのような小物までいちいち凝っていて、ゴシックな教会、ビーチのセット感などもギリアム味たっぷり。
遊び心に溢れた衣装も目を引きます。カラフルなビニールのコートや、ソファやカーテンと同じ柄の三つ揃いなど、ユニークで一癖ある印象的なものばかりです。
|
||||||||||||||
ダウントン・アビー
公開：2019年
製作国：イギリス、アメリカ
監督：マイケル・エングラー
出演：ヒュー・ボネヴィル、エリザベス・マクガヴァン、ミシェル・ドッカリー ほか
日本でも多くのファンを持つイギリスのテレビドラマ「ダウントン・アビー」（2010年～2015年）の劇場版。
1927年、ダウントン・アビーをイギリス国王夫妻が訪れる騒動の顛末を描いた本作は、ドラマを見ていなくても楽しめるストーリーになっています。
本作はドラマ以上に豪華な衣装も話題となりました。
1920年代、上流階級の流行は、煌びやかなビーズや刺しゅうが施された直線的なドレスやローウエストのアール・デコ。ショートヘアに小さめの帽子やヘッドピースを合わせるのが特徴です。
本作でも若い女性は流行のスタイルをしていますね。
衣装デザイナーのアンナ・ロビンズはヴィンテージの生地を厳選し、正確な時代考証に現代的な要素も加えてデザインしたそうです。
|
||||||||||
地中海殺人事件
公開：1982年
製作国：イギリス
監督：ガイ・ハミルトン
原作：アガサ・クリスティ
出演：ピーター・ユスティノフ、ジェーン・バーキン、マギー・スミス ほか
地中海の高級リゾートで起きた女優殺人事件の謎を名探偵ポワロが解き明かすミステリー作品。
アガサ・クリスティの「エルキュール・ポアロ」シリーズ「白昼の悪魔」が原作です。
名曲の数々と、定石の謎解きを楽しみながら、女優たちのゴージャスな衣装も目を楽しませてくれます。
びっくりするほどのパワーショルダーや仰々しいドレス、ハイカラな水着スタイルなど、個性的な衣装はアカデミー賞衣装デザイン賞を3度受賞したアンソニー・パウエルのデザイン。
エルメスの「バーキン」の由来となったジェーン・バーキンの美貌にも釘付けになりますよ。
|
||||||||
ティーンスピリット
公開：2019年
製作国：アメリカ、イギリス
監督：マックス・ミンゲラ
出演：エル・ファニング、ズラッコ・ブリッチ、レベッカ・ホール ほか
イギリスの田舎町で暮らすポーランド移民の少女が歌手を目指し、オーディション番組に挑む青春音楽映画。
エル・ファニングは本作のために3か月ものボイストレーニングを受けたそうです。
主人公は鬱屈とした生活を送っている女の子で、無造作に髪を束ね、身に着けるものも飾らないスポーツアイテムがメイン。
アディダスのコンパクトなトップスやジャージ、オーディションだってスウェットです。
リーボックのスニーカーやアディダスのウィンドブレーカーなどは、衣装デザインのミレン・ゴードン・クロージャーがネットで購入したヴィンテージだそう。
決勝戦のステージ、ゴールドのラインの赤のセットアップもクールです。
|
||||||||||||||
テス
公開：1979年
製作国：イギリス、フランス
監督：ロマン・ポランスキー
出演：ナスターシャ・キンスキー、ピーター・ファース ほか
1870年代、貧しい家の娘テスがその美貌ゆえに辿る波乱に満ちた運命を描いたドラマ映画。
当時18歳のナスターシャ・キンスキーの圧倒的な美しさは必見です。
巨匠ポランスキーは、本作を亡き妻シャロン・テートに捧げていますが、キンスキーが15歳の頃から性的関係にあったと言われています。
衣装や美術の再現度も高く、絵画のような素晴らしい映像です。
控えめにレースやフリルが施された庶民の素朴なドレスは牧歌的な風景に溶け込み、また、裕福な暮らしを得たテスはヒップが膨らんだ流行りのドレスを上品に着こなしています。
第53回アカデミー賞で撮影賞、美術賞、衣装デザイン賞を受賞。
衣装デザインは、前述のアンソニー・パウエル。ポランスキー作品を多く手掛けました。
|
||||
DOPE／ドープ!!
公開：2015年
製作国：アメリカ
監督：リック・ファミュイワ
出演：シャメイク・ムーア、ゾーイ・クラヴィッツ、フォレスト・ウィテカー ほか
90年代ピップホップを愛するオタク高校生マルコムは、バンドを組んだり恋をしたり、ハーバード大への進学を目指したりと青春を謳歌していますが、ある時ドラッグ絡みの事件に巻き込まれてしまいます。
社会問題にも切り込みつつ、ちょっとポンコツな高校生たちの成長を描いた青春コメディ。
製作総指揮はファレル・ウィリアムス。フォレスト・ウィテカーがナレーションを担当、製作にも参加しています。
音楽、ファッションと90年代のヒップホップカルチャーが満載で、ダサ可愛いスタイルやRun-D.M.C.のTシャツが堪りません。
女子なら、スタジャンやオーバーオールの着こなしなど、ゾーイ・クラヴィッツのボーイズファッションに取り入れたいポイントがいっぱいです。
|
||||||||||||
8人の女たち
公開：2002年
製作国：フランス
監督：フランソワ・オゾン
出演：ダニエル・ダリュー、カトリーヌ・ドヌーヴ、ファニー・アルダン、イザベル・ユペール、エマニュエル・ベアール ほか
雪に閉ざされた屋敷で殺害された一家の主。邸内に残された8人の女性たちはお互いを疑い始め…。フランソワ・オゾンによるミュージカル・ミステリーです。
フランスを代表する女優たちが名を連ね、8人全員がベルリン国際映画祭銀熊賞（芸術貢献賞）を受賞しました。
「ロシュフォールの恋人たち」（1967年）のカトリーヌ・ドヌーヴとダニエル・ダリューが今作で再び母娘を演じています。
美しく変身するイザベル・ユペールにもうっとり。
8人の女優たちの衣装はそれぞれの個性や年代に合わせて実に色とりどりで、インテリアの色彩とも計算された画面は、さすがフランスというおしゃれさです。
|
||||||
パリの恋人
公開：1957年
製作国：アメリカ
監督：スタンリー・ドーネン
出演：オードリー・ヘプバーン、フレッド・アステア、ケイ・トンプソン ほか
永遠の憧れでありおしゃれのお手本オードリー・ヘプバーンの初ミュージカル作品。
真面目で地味な女の子が、パリへ行きファッションモデルとなるシンデレラストーリーです。
フレッド・アステアとの共演、本格的にバレエを学んでいたヘプバーンのダンスも見どころ。
ヘプバーンの衣装と言えばジバンシィ。ヘプバーンにこそふさわしい見眼麗しいドレスの数々に心を掴まれるでしょう。
殊にひざ丈のウェディング・ドレスは当時としてはかなり斬新でした。
ジバンシィは「麗しのサブリナ」（1954年）の衣装を手掛け、本作からその名がクレジットされるようになり、以降、ヘプバーンとの公私にわたる深い絆を築きました。
|
||||||||
ファントム・スレッド
公開：2017年
製作国：アメリカ
監督：ポール・トーマス・アンダーソン
出演：ダニエル・デイ＝ルイス、レスリー・マンヴィル ほか
1950年代のロンドンを舞台に、気難しいオートクチュールの仕立て屋と、若いウエイトレスの歪んだ愛を描いたドラマです。
第90回アカデミー賞では6部門にもノミネートされ、本作含めアンダーソン監督作品を多く手掛けるマーク・ブリッジスが2度目の衣装デザイン賞を受賞しています。
50着以上も製作されたというヴィンテージの生地を使った完璧な衣装に目を奪われます。
また、名優ダニエル・デイ＝ルイスは、１年間衣装作りを学び、本作のモデルであるバレンシアガのスーツを複製できるほどの腕前になったそう。
彼は本作をもって引退を発表。今後はファッション・デザイナーを目指して活動するということです。
|
||||||||||
フェノミナ
公開：1985年
製作国：イタリア
監督：ダリオ・アルジェント
出演：ジェニファー・コネリー、ドナルド・プレザンス、ダリア・ニコロディ ほか
昆虫と交信できる特殊能力を持った少女が、昆虫学者の教授とともに連続少女殺人事件の真相を追うホラーサスペンス。
監督はイタリアン・ホラーの金字塔「サスペリア」（1977年）のダリオ・アルジェント監督。
アルジェント監督作品ではお馴染みのゴブリンはじめアイアン・メイデン、モーターヘッドなど、ホラーシーンに突如ロックが鳴り響く独特の演出です。
当時13歳の美少女すぎるジェニファー・コネリーの衣裳はジョルジオ・アルマーニ。
オーバーサイズのシャツ、ホワイトのワンコーデやブレザーにネクタイのプレッピースタイルがカッコいい。
それなのに死体や蛆虫にまみれる可憐なジェニファーの体当たり演技に涙を禁じえません。
|
||||||||
※2021年8月の情報です。最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。
