映画「WAVES/ウェイブス」ーA24製作。押し寄せる圧倒的な音楽と映像!

青春はあまりにもどうしようもない…。悲劇的な事件を取り巻く若者の痛みと家族の再生を描いた物語。

Source: https://movies.yahoo.co.jp/

 

 

公開:2019年

製作国:アメリカ

監督:トレイ・エドワード・シュルツ

出演:ケルヴィン・ハリソン・Jr
テイラー・ラッセル
ルーカス・ヘッジズ
アレクサ・デミー
スターリング・K・ブラウン ほか

 

 

 

 

※本記事にはネタバレ、結末が含まれています。

映画「WAVES/ウェイブス」ネタバレあらすじ

タイラーはフロリダに住む高校生。家は裕福で、学校ではレスリング部のエース、恋人のアレクシスはチアリーダー、練習にデートに遊びにと恵まれた高校生活を満喫している。
父親はアフリカ系アメリカ人ながら人一倍努力し成功を収めたことに誇りを持っており、躾に厳格でタイラーのトレーニングにも余念がない。

ある時、タイラーは鎮痛剤で誤魔化していた肩の痛みが悪化し検査を受ける。
そこでもう二度とレスリングができないと診断されるが、それを両親に打ち明けられないまま試合に臨み、酷いダメージを受け立ち上がれなくなってしまった。
両親が自分のことで口論をしている。

心にも深い傷を負ったタイラーはアレクシスに拠り所を求める。
しかし、追い打ちをかけるように彼女の妊娠が発覚。
彼に責任が負えるわけもなく、中絶のために2人で病院を訪れるが、彼女はいざとなって堕胎を受け入れることができず、帰りの車中で激しい罵り合いとなった。

その後、タイラーは半ば自暴自棄になり鎮痛剤やマリファナで現実逃避するが、正気に戻ると、心配する妹のエミリーに「今日は最悪の日だった」と涙を流してすがりついた。

タイラーはアレクシスにメッセージを送るが、「親の協力のもとで出産する」という返信とともに彼女はタイラーを拒絶し、電話にも出ずアカウントもブロックしてしまった。

程なくして、一緒に行こうと約束していたパーティーで、アレクシスが別の男と映っている画像がSNSにUPされる。
タイラーは鎮痛剤と酒を煽り、家を出るところを両親に引き留められるが、母親が継母であることで口汚い言葉を吐き、父親を突き飛ばして、家を飛び出した。
パーティーへ乗り込んできたタイラーのただならぬ様子に、その場にいたエミリーは不安になる。
アレクシスが別の男と親密そうにしている。タイラーはさらに酒を飲み、アレクシスがひとりで貯蔵庫に入るのを追う。
2人は激しい言い争いになり、タイラーが思わずアレクシスを殴ると、彼女は床に頭を打ち付け動かなくなった。
頭から血を流しぐったりとするアレクシス。
タイラーは彼女を揺さぶり泣いて謝るが、他の客が気付いて騒ぎになり、慌ててその場を逃げ出す。
やがて逮捕されたタイラーには、裁判で終身刑が言い渡された。

Source: https://www.phantom-film.com/waves-movie/

1年後、エミリーは兄タイラーの事件でいわれのない嫌がらせや誹謗中傷を受け、孤独な日々を送っていた。
そんな彼女に、タイラーと同じレスリング部のルークが声をかける。
ルークはタイラーの事件もすべて承知していた。
ぎこちなくも誠実なルークにエミリーは心を開いていく。
SNSのアカウントも削除していたエミリーだったが、ルークと親しくなり笑顔を取り戻していった。

一方、両親は喧嘩が絶えず夫婦仲が悪化していき、それはエミリーの気を重くさせた。
継母は我が子同然に育ててくれたが、幼いころに過剰摂取で亡くした実母と話したいと思うほど、家族がバラバラになった家でエミリーは行き場をなくしていた。

静かな湖に、父親と釣りに訪れる。
タイラーの教育に熱心で、エミリーのことは母親に任せっぱなしだった父親とは、あの事件以前から話す機会などなかった。
父が家族が壊れてしまったことを謝罪し胸の内を明かすと、気持ちを抑えていたエミリーも、あの夜タイラーを止められなかったことで自分を責め、抱えていた苦しみを吐き出した。
父はただ愛に満ちた娘の未来だけを望んだ。

Source: https://www.phantom-film.com/waves-movie/

ルークは、暴力的だった父親と長く音信不通だった。
今は癌に侵されているという父親を「クソ野郎だからいい気味だ」と言うが、ある時、父親の容態が悪いと知らせが入る。
エミリーは父親に会いに行くべきだとルークの背中を押した。
車で2日かけ、2人でミズーリへ向かう。
ルークはやつれた父親と再会すると、互いに抱き合った。

数日の間、ルークは父親に付き添い献身的に世話をした。
エミリーはそれをずっと見守りながら、救えなかった兄を想い涙を流す。
そして、心配して何度もメッセージを寄越す両親へ「心配しないで、今大事なことをしているの。」と返した。
その後、ルークの父親は息を引きとり、2人はフロリダへ帰る。

「大好きよ。もう一度家族になりたい。」
想いを込めたエミリーのメッセージは両親に届いた。
母親は刑務所へタイラーの面会に行き、両親は少しずつ支え合うようになる。
やがて、エミリーの日々は未来への輝きに満ちていく。

スタッフ&キャスト

タイラーを演じたケルヴィン・ハリソン・Jrは、シュルツ監督の「イット・カムズ・アット・ナイト」(2017年)にも出演。
主演した「ルース・エドガー」(2019年)では高い評価を得ています。

タイラー、エミリーの父ロナルド役はスターリング・K・ブラウン。テレビシリーズ「THIS IS US」(2016年~2022年)では、初のアフリカ系アメリカ人の受賞となるゴールデングローブ賞男優賞(ドラマシリーズ部門)を受賞。2018年タイム誌の世界で最も影響力のある100人の1人に選出されました。

エミリーの恋人ルークのルーカス・ヘッジズは、アカデミー賞助演男優賞にノミネートされた「マンチェスター・バイ・ザ・シー」(2016年)のほか、「レディ・バード」(2017年)、「Mid90s ミッドナインティーズ」(2018年)など数々の話題作に出演しています。

Source: https://www.phantom-film.com/waves-movie/

そして今や映画と言えばA24。
トレイ・エドワード・シュルツ監督は、デビュー作「クリシャ」(2015年)、前作「イット・カムズ・アット・ナイト」(2017年)に続き、長編3作目となる本作でもA24とタッグを組んでいます。
本作は高い評価を得て、第29回ゴッサム・インディペンデント映画賞で作品賞にノミネート、エミリーを演じたテイラー・ラッセルがブレイクスルー演技賞を受賞。

監督が作成したフランク・オーシャン、カニエ・ウェスト、レディオヘッドなどからなる31曲のプレイリストより着想を得て本作の脚本が完成しました。
映画のシーンとリンクして、押し寄せてくる音楽は本作のいちばんの醍醐味。
オリジナル・スコアは「ソーシャル・ネットワーク」(2010年)で第83回アカデミー賞作曲賞を受賞したトレント・レズナーとアッティカス・ロスが手掛けました。

また、360度のカメラワークや、場面によって画面サイズが変わったり、刹那的できらめく若さを印象付ける色彩や光の演出も美しく、センスが際立つ1本です。

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