映画「ブリグズリー・ベア」ーすべてが優しすぎる冒険物語

25年間もの奇妙な軟禁生活から解放され、初めて外の世界へ踏み出した青年。ともに育った「ブリグズビー・ベア」と一緒に冒険の旅へ!

Source: https://movies.yahoo.co.jp/

 

 

公開:2017年

製作国:アメリカ

監督:デイヴ・マッカリー

出演:
カイル・ムーニー
マーク・ハミル
グレッグ・キニア
アンディ・サムバーグ ほか

 

 

 

 

※本記事にはネタバレ、結末が含まれています。

映画「ブリグズビー・ベア」ネタバレあらすじ

25歳の青年ジェームスは子供向け番組の「ブリグズビー・ベア」に夢中だった。
着ぐるみのブリグズビー・ベアが数々の謎を解き、大冒険を繰り広げる。
ジェームスは日々番組のビデオを見て研究しネットに情報を上げ、部屋にはグッズやビデオがずらり、壁には番組のマスコットガール・アリエルのポスター。
マナーや常識、様々な教訓から化学や数学の知識まで、すべてブリグズビー・ベアが与えてくれた。

彼は両親と3人で、まるで地下シェルターのような家に暮らしていた。
両親は愛情深かったが彼にとっては少々退屈な存在。
外の世界に興味を抱いていたが、外界は有毒ガスで汚染されているらしいので家も厳重に施錠され外へは出られない。
これまで窓越しに見てきたものはガスマスクを着けて出かける父親と、(ハリボテの)虫や動物たち。

ある晩、赤と青のランプを点けた車が何台もやってきて、両親を連れて行ってしまう。
ジェームスも車に乗せられるが、誰もガスマスクをしていないことに動揺する。
どうやらマスク無しでも死なないようだ。

ジェームスは生まれてすぐ誘拐され、25年もの間軟禁されていたのだ。
犯人のテッドと妻に育てられ教育を受け、外界から隔絶されていることを除けば不自由なく暮らしていた。

保護されたジェームスは、本当の両親、高校生の妹オーブリーと一緒に暮らすことになる。
彼は、想像をはるかに超える外の世界の大きさに戸惑った。
「ブリグズビー・ベア」だけを見て育った彼には、それが世界のすべてだったのだ。
両親や妹とはあまり噛み合わなかったが、「ブリグズビー・ベア」の他にたくさん番組があることも知り、大画面で見た初めての映画には大興奮。
ところが一方、カウンセラーから「ブリグズビー・ベア」の真実を知らされる。
番組は誘拐犯テッドがこれまでひとりで製作し、Web上のやりとりもテッドの自作自演、番組を見ていたのは自分だけだった。
この先誰も「ブリグズビー・ベア」を作ってくれないことでショックを受けるジェームス。
しかし、映画に魅了された彼は映画作りについて調べ、自分で「ブリグズビー・ベア」の続きを作ろうと思い立った。

Source: https://www.youtube.com/watch?v=37hvOtO5d24

妹オーブリーが両親への口実のために仕方なく連れて来たパーティーで、ジェームスはSF映画好きのスペンスと意気投合する。
ジェームスは「ブリグズビー・ベア」や映画の脚本について熱く語り、自分でCGを制作しているスペンスは番組のビデオを見て絶賛。
番組をネットに上げてたちまち大人気になり、2人は早速一緒に映画作りに乗り出した。

担当のヴォーゲル刑事へ、テッドの倉庫から押収した「ブリグズビー・ベア」の機材や小道具、衣装などを映画作りに使用したいと掛け合うが、もちろん断られる。
しかしひたむきなジェームスの姿に、ヴォーゲルはこっそり押収した品々を持ってきてくれた。
ブリグズビー役はもちろんジェームス、そしてスペンスの仲間や演劇部出身のヴォーゲル刑事も出演して撮影は順調に進んだ。

誘拐犯の作った番組にジェームスが夢中なことを両親は快く思っていなかったが、そんな心配をよそに、ジェームスは映画作りで頭が一杯。
映画作りを通して仲間たちとの交流も深めていった。
ジェームスを避けていたオーブリーも、一緒に撮影をしたり音楽を聴いたりしていくうちに、純粋な兄を受け入れていく。2人は「一緒に誘拐されていたらきっと楽しかった」と語り合った。

Source: https://www.sonypictures.jp/he/2321512

ある日、ジェームスは爆破シーンに手製の爆弾を使ったことで警察に捕まってしまう。
着ぐるみや小道具は再度押収され、カウンセラーには「ブリグズビー・ベア」のことは忘れるよう言われ、両親とも口論となる。
落胆したジェームスは、番組に出演していたアリエルを探すため両親の車で家出。
道中、かつて暮らしたシェルターを訪れ、ついにアリエルを演じていたホイットニーが働くダイナーを見つけた。
事実を知らず出演していた彼女はジェームスに謝罪するが、ジェームスはどんな時でもブリグズビーの側にいてくれたことを感謝するのだった。
映画への出演を頼み、「ずっと昔から愛していた」と打ち明ける。
しかしここでも警察に保護され、ついに両親はジェームスを施設へ入れてしまうのだった。

ジェームスが施設で抑圧された日々を送る中、スペンスは映画のメイキングビデオを作り、オーブリーがそれを両親に見せた。
そこには仲間とともにこのうえなく楽しそうに笑うジェームスがいた。

親切にしてくれた患者のエリックから手作りの武器をもらい、ジェームスは施設を脱走する。
自宅へ戻ると、ガレージに両親やオーブリー、スペンスや仲間たちが集まっていた。
メイキングビデオを見て心を動かされた両親がヴォーゲル刑事に頼み、再び小道具や衣装を盗み出して、皆で運び入れていたのだ。
「家族で映画作りをしよう」と言う両親。ジェームスは家族と固く抱き合った。

罪を認め服役するテッドのもとへジェームスは面会に行く。
映画にはあとひとつ足りないものがあったのだ。
ブリグズビー・ベアに欠かせないテッドのナレーションを、面会室で録音した。

出来上がった映画は手作り感満載の宇宙船やスペンスのCGもあり、エリックやホイットニーも出演。ホイットニーとのキスシーンもちゃっかり盛り込んである。
ブリグズビーの冒険は観客の心を掴み喝采を浴びた。
仲間と喜びを分かちあうジェームスを遠くからブリグズビーが見つめている。
ブリグズビーは満足げに頷くと、消えていった。

Source: https://www.sonypictures.jp/he/2321512

大いなる自立の物語

主人公ジェームスのピュアな巻き込み力や周囲の人々の優しさに、笑って泣ける味わい深い作品です。
25年もの軟禁生活で形成されたキャラクターが、青年の成長物語の中でよく活かされています。
偏ってはいるものの成長過程を踏んできた25歳の青年は、あまりにも大きい外の世界に戸惑いながらも受け入れ関心を示していきます。
自分の世界から外へ放り出され、仲間や映画作りという喜びを得る一方、アイデンティティーである「ブリグズビー・ベア」を失うことや、自分が受け入れられないという挫折を経験し、周囲の人や外の世界との関わりを築いて成長していくのです。
親子の関係についてはあまり描かれていませんが、ジェームスの言葉の端々や誘拐犯テッドとの面会シーンに彼の心情の変化が見て取れます。
ジェームスの作る映画「ブリグズビー・ベア」は、彼の体験そのままでした。
映画同様に、新しい世界へ踏み出して謎を解き冒険をして、絶対的な存在を克服し、次の冒険へ旅立つのです。

スタッフ&キャスト

監督のデイヴ・マッカリーは人気番組「サタデー・ナイト・ライブ」の作家で本作が長編映画デビュー作。
プライベートでは2020年にエマ・ストーンと結婚、2021年には第一子が誕生しています。

製作を手掛けるのはコメディグループ「ザ・ロンリー・アイランド」。アンディ・サムバーグは施設で主人公を助ける患者役で出演。
「LEGOムービー」(2014年)や「21ジャンプストリート」(2011年) 「22ジャンプストリート」(2012年)の監督フィル・ロード、クリス・ミラーも製作に名を連ねています。

主演のカイル・ムーニーは、マッカリー監督の幼なじみで、「サタデー・ナイト・ライブ」にレギュラー出演するコメディアン。
本作は1980年代の子供番組に影響を受けた彼のプライベートが基になっていて、自身も共同脚本を手掛けました。

可愛くてめちゃめちゃいい奴スペンスを演じたジョージ・レンデボーグ・Jrは「バンブルビー」(2018年)や「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」(2019年)にも出演。

ヴォーゲル刑事のグレッグ・キニアもいい味です。
「恋愛小説家」(1997年)「リトル・ミス・サンシャイン」(2006年)などで知られています。

そしてなんといっても誘拐犯テッドを演じた大御所マーク・ハミル。
声優としても活躍する彼のタレントが「ブリグズビー・ベア」に不可欠なものとなっています。

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