映画「ビッグ・リボウスキ」ネタバレあらすじ-コーエン兄弟のカルト・コメディ

次々とトラブルに巻き込まれていく負け犬中年男の人生をユルユルに描く、コーエン兄弟のカルト・コメディ!

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公開:1998年

製作国:アメリカ

上映時間:117分

監督:ジョエル・コーエン
脚本:イーサン・コーエン、ジョエル・コーエン
製作:イーサン・コーエン

出演:
ジェフ・ブリッジス(デュード)
ジョン・グッドマン(ウォルター)
ジュリアン・ムーア(モード)
スティーヴ・ブシェミ(ドニー)
デヴィッド・ハドルストン(ジェフ・リボウスキ)ほか

 

※本記事にはネタバレ、結末が含まれています。

映画「ビッグ・リボウスキ」のネタバレあらすじ

1990年代初頭のロサンゼルス。
ジェフ・リボウスキはぐうたらで無職の中年男。自らを「デュード」と名乗り、酒を飲みマリファナを吸っては、日々遊んで気楽に暮らしている。
友人のウォルターとドニーとともにボーリング場に集まって練習するのが日課だ。

ある時、見知らぬ2人組の男が家に侵入、「女房のバニーの借金を返せ」と身に覚えのないことで脅されたうえに、お気に入りの敷物に小便までかけられてしまう。
それが同姓同名の別人、大金持ちのジェフ・リボウスキの間違いだと分かると男たちは捨て台詞を吐いて去っていった。

軍隊上がりで血の気の多いウォルターに焚きつけられ、デュードは敷物の弁償をしてもらおうと大金持ちのリボウスキの屋敷を訪ねる。
が、案の定たかりだと思われ散々罵られて追い返された。
邸のプールサイドにはビキニ姿のバニー。
朝鮮戦争で車椅子となった老人リボウスキ、その若妻バニーは、遊び放題であけすけなエロい女だった。

数日後、リボウスキの秘書からしつこく電話があり、デュードは仕方なく再び屋敷へ。
リボウスキはバニーが誘拐されたと涙ながらに打ち明けると、身代金の受け渡し役をデュードに依頼してきた。
犯人はデュードの家に押し入った2人組ではないかというのだ。
どうせ小遣いを渋られた借金まみれのバニーの狂言だろうと高を括ったデュードは、チョロい金儲けだと快諾し、2万ドルの報酬に有頂天になってウォルターらとボーリングに興じるのだった。

犯人から身代金受け渡しの連絡があり、秘書から100万ドルの入ったブリーフケースと携帯電話を渡された。
するとウォルターがデュードの車に乗り込んで、身代金を横取りしようと持ちかけてきた。
受け渡しの場で犯人を取り押さえバニーを取り戻し、身代金をネコババという算段だ。
しかしデュードが制止するも、ウォルターの暴走で受け渡しは失敗、犯人も取り逃がしてしまう。
結局2人は身代金を持ったまま、とりあえずボーリング場へ
犯人からの電話が鳴り続ける中、出るに出られず困り果てるデュード。
本当に女が殺されてしまうのではと不安になるが、誘拐が狂言だと信じるウォルターは100万ドルをネコババする気満々。
ところがボーリング場を出ると、身代金のケースを置いたデュードの車が盗まれていた。

リボウスキの娘で前衛芸術家のモードがデュードに接触してくる。
彼女はバニーが出演するポルノビデオを見せ、誘拐は色情狂の継母バニーの茶番だから身代金として持ち出された財団の金を奪い返してほしいと、10万ドルの報酬をデュードに提示してきた。
一攫千金の大チャンスも金がない。それでもなるようになると呑気なデュード。
ところが自宅に戻るとリボウスキが激怒して待っていた。
身代金はどこだと責め立てられ、デュードは適当に弁明してあわよくばと報酬まで要求するが、犯人から送られてきたという女の足の指を見せられゾッとするのだった。

その夜、デュードの家に3人組の男が押し入ってくる。
リーダー格の男は、リボウスキ邸のプールでバニーと一緒にいた男で、バニーのポルノにも出演していた。
この3人組が誘拐犯らしく、金を寄越さないとチョン切るぞと脅し、家具を壊して出て行った。

リボウスキにも犯人からも脅されて怖気づき、敷物を取り返したかっただけなのにと凹むデュード。
ウォルターのとんちんかんな慰めにキレてケンカになり、モードには仕事を降りたいと申し出るもピシャリと撥ねられる。

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翌日、盗まれた車が発見されたと警察から連絡があるが、金の入ったケースはなくなっていた。
しかし車内でテストの答案用紙を発見。デュードはウォルターらとともに答案に書かれた名前の少年の家を訪ねる。
ケースの在りかを聞き出そうとするも、少年は無表情で何一つ喋らない。
逆上したウォルターが家の前に停めてあった新車のコルベットをボコボコに破壊して脅すが、それは隣人の車だった。
怒り狂った隣人によりデュードのボロ車がさらに酷い有様となるのだった。

デュードの家には最初に押し入った2人組が現われ、ポルノ業界のビッグプロデューサー、ジャッキー・トリホーンの豪邸へ連れて行かれる。
バニーに貸した金を取り返したいトリホーンは、身代金の在りかを吐くようデュードに要求してきた。
子どもが盗んだとはとても信じてもらえず、デュードは酒に薬を盛られて倒れ、屋敷から追い出される。
一夜明け、何とか自宅へ辿り着くと、すでにトリホーンの手下に荒らされたあとだった。
家にはモードが待っていて、2人はセックスをする。
妊娠するため子育てに関心のない男を探していたらしい。
彼女によると、リボウスキには手当てを払っているだけで実は財産などないという。
それを聞いたデュードは事件の真相に気付くのだった。

デュードとウォルターがリボウスキ宅へ乗り込むと、バニーが戻っていた。
足の指も健在。どうやら遊びに行っていただけらしい。
金遣いの荒いバニーに愛想を尽かしたリボウスキが、誘拐に乗じて、デュードに空のケースを渡し犯人がバニーを殺すよう仕向け、さらにネコババの罪を着せようとしたのだろうと踏んだデュード。
リボウスキを問い詰めるが、開き直って負け犬呼ばわりされ、激昂したウォルターがリボウスキを車椅子から引きずり下ろして、一件は幕切れとなる。

その後いつものように練習してボーリング場を出ると、ニセ誘拐犯の3人組がデュードの車を燃やしていた。ボロ車はついにお釈迦に。
3人組は身代金を要求してくるが、偽装誘拐だとバレると「彼女が指まで切ったんだ」と逆ギレして襲いかかってきた。
3人ともウォルターがあっさり叩きのめしたが、その時ドニーがショックで心臓麻痺を起こして死んでしまう。
ドニーには身寄りがなく、デュードとウォルターが遺灰をコーヒー缶に入れて引き取った。
海で遺灰を撒くが、悲しいかな向かい風で灰は全部こっちへ。
デュードは押し寄せる感情をウォルターにぶつけ、ウォルターはデュードをボーリングに誘った。
やがてデュードは気楽な日常に戻っていくのだった。

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コーエン兄弟のダメ中年男愛

独特の作風で多くのコアなファンに支持され続けてきたコーエン兄弟。
1996年の「ファーゴ」で第69回アカデミー賞脚本賞受賞、2007年「ノーカントリー」では第80回アカデミー賞作品賞、監督賞、脚色賞を受賞し、今やハリウッドを代表する大御所です。

本作は公開当時こそ興行も振るわず評価も得られなかったようですが、20年以上経た今でも、カルト映画として多くの熱狂的なファンに愛されています。
2020年には、本作のキャラクター「ジーザス」を描いたジョン・タトゥーロ主演・監督によるスピンオフ作品「ジーザス・ロールズ」が製作されました。
「アベンジャーズ/エンドゲーム」(2019年)でも、引きこもり生活を送るソーのモデルとなっていて、トニー・スタークに「リボウスキ」と呼ばれています。

タイトル「ビッグ・リボウスキ」(The Big Lebowski)は、レイモンド・チャンドラーの「大いなる眠り」(The Big Sleep)からとられており、チャンドラーのハードボイルド探偵小説に着想を得たストーリー展開になっています。
コメディに振り切っていてテンポも良いので、コーエン兄弟作品の入り口としてもおすすめです。
強烈な個性の登場人物やグダグダで締まりのない空気感にハマれば、愛着の湧く1本になることでしょう。

コーエン兄弟作品には多くのクズみたいなおじさんたちが登場しますが、この「滑稽」で「哀れ」というおじさんの専売特許が、コーエン兄弟の手にかかるととても愛おしく感じられるから不思議です。
大ピンチなのにウマい話に流され、厄介な友達とはなぜかとても仲良し。こんなおじさん愛さずにはいられません。

濃すぎるキャストたち

主演のジェフ・ブリッジスは、「クレイジー・ハート」(2009年)で第82回アカデミー賞主演男優賞受賞。コーエン兄弟の「トゥルー・グリット」(2010年)でも一癖あるならず者の保安官を演じてアカデミー主演男優賞にノミネートされています。
ハリウッドを代表する実力派でシリアスなイメージがありますが、本作ではまったく奥行きのない適当さで、演技とは思えないほどの板についた負け犬っぷりが見事です。

超トラブルメーカーのベトナム帰りジョン・グッドマン、ほぼ喋らせてもらえないうえに最後片隅で死んでゆく雑な扱いのスティーヴ・ブシェミ、ストーリーとは一切関係なく網膜に焼き付く鮮烈な印象だけを残すジョン・タトゥーロなど、コーエン兄弟作品でお馴染みの個性豊かな脇役陣は、主役を凌ぐアクの強さ。
ほか、ジュリアン・ムーアフィリップ・シーモア・ホフマンサム・エリオットなどの豪華キャストです。

音楽

70年代から成長できていないデュードに、オープニングや作中で流れるボブ・ディランの「The Man in Me」、エンディングのタウンズ・ヴァン・ザントのカバーによるローリング・ストーンズの「Dead Flowers」などのクラシック・ロックがまさに絶妙な選曲。

デュードのお気に入りのカセットテープは60年代から70年代に活躍したクリーデンス・クリアウォーター・リバイバル。作中でも印象的に使われています。

ジョン・タトゥーロ・ワンマンショーでのジプシー・キングズバージョン「ホテル・カリフォルニア」や、デュードの幻覚シーンのケニー・ロジャース「Just Dropped In」は映像と合わせてインパクト絶大、必見必聴です。

サントラ盤には入っていませんが、お騒がせ妻バニー(タラ・リード)が歌うヘタクソな「Viva Las Vegas」(エルヴィス・プレスリー)や、Santana の「Oye Como Va」などの名曲が随所に登場するのも楽しませてくれます。

ホワイトルシアン

作中でデュードが終始飲んでいたカクテル「ホワイトルシアン」
作り方はウォッカ40ml+コーヒーリキュール(カルーア)20ml+生クリーム20ml
ウォッカ+カルーアだけの「ブラックルシアン」に比べて、生クリームを使うことで飲みやすくなり女性にもお勧めです。
カルーアを使ったカクテルの代表格カルーア+ミルクの「カルアミルク」は、映画と同じ90年代初頭、バブル時代の日本で大流行しました。
アルコール度数が高いわりに口当たりがいいのでご注意を。

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