映画「サイド・エフェクト」-ソダーバーグ流、上質な心理サスペンス

うつ病を患った妻が夫を殺害した。心神喪失か新薬の副作用か、それとも…。ジュード・ロウ、ルーニー・マーラなど実力派豪華キャストによるサスペンススリラー。

Source: https://www.amazon.co.jp/

 

 

公開:2013年

製作国:アメリカ

上映時間:106分

監督:スティーヴン・ソダーバーグ

出演:
ジュード・ロウ
ルーニー・マーラ
キャサリン・ゼタ=ジョーンズ
チャニング・テイタム ほか

 

 

 

※本記事にはネタバレ、結末が含まれています。

映画「サイド・エフェクト」ネタバレあらすじ

うつ病

インサイダー取引で4年の刑期を終えた夫マーティンが出所し、この日を待ちわびた妻エミリーはともに喜びを分かち合う。
しかし、夫の服役中にうつ病を患っていた彼女は、数日後にビルの駐車場の壁に車で激突し自殺を図った。
幸い軽傷だったが、精神科医のバンクスが診察に当たり、エミリーは彼のクリニックへ通うことになる。
かつてエミリーの主治医だった女医のシーバートによると、結婚後1年で夫が逮捕されその直後に流産しうつ病を発症、家を差し押さえられて引っ越しを余儀なくされるまで治療したが、どの薬も効果がなかったという。

バンクスが処方した治療薬も、体調が悪くなるばかりで症状は改善しない。
マーティンはそんなエミリーを気遣ったが、パーティーの席で泣き出したり、ある時には電車に飛び込みそうになる。
自身の身を案じたエミリーが友人から聞いた新薬アブリクサを試したいと希望し、シーバート医師からの勧めもありバンクスはその新薬を処方した。

副作用

その後、アブリクサはエミリーに良く効き、マーティンとも以前のような関係を取り戻しつつあった。
そんなある日、彼女は深夜に突然大音量で音楽をかけ、3人分の食事の支度をしてマーティンを驚かせる。
アブリクサの副作用で夢遊病の症状が出たようだった。
バンクスが別の薬を勧めるも、エミリーは効果のあるアブリクサの継続を強く望み、アブリクサと合わせて夢遊病の治療薬を服用することにする。

マーティンは新たな事業を起こす計画を立て、再びセレブ生活を送れると言うが、勝手に引っ越しを決めていたことでエミリーは不安定になっていく。
ある時、マーティンが帰宅するとエミリーの様子がおかしい。
3人分の皿を用意しキッチンで野菜を切り続けるエミリーに、また副作用が出たかと声をかけると、彼女は突然マーティンの腹を包丁で刺した。
さらにためらいもなく背中からも刺し、マーティンは息絶えた。
エミリーは顔色一つ変えずそのままベッドへ行き横になった。

包丁にはエミリーの指紋しかなく、証拠はすべて彼女の犯行を物語っていた。
しかし、彼女はまったく記憶がないと言う。
検察から3人分の食事を用意していたと聞いたバンクスは薬の副作用の可能性を説くが、彼女が殺人犯でなく薬の被害者であれば、バンクスが医師としての責任を問われることになると言われるのだった。

Source: https://www.youtube.com/watch?v=ND2yYzAYDDY

詐病

エミリーはアブリクサの副作用を訴える声明をテレビで発表し、その結果、バンクスのもとへも多くのマスコミが詰めかける。
やがて検察との取引でエミリーは心神喪失で無罪となり、精神医療施設への入院が命じられた。
彼女は副作用であることを主張したが入院を受け入れるしかなかった。
バンクスが引き続き担当医となり、彼が罪に問われることはなく事態は収束するかに思われたが、患者は減り、妻の信頼も失くし、クリニックも追われることになるのだった。

そんな時、バンクスはアブリクサのサイトで、副作用である夢遊病についてのシーバート医師の論文を見つける。
副作用を知っていながら黙っていたことを問うと、シーバートは、エミリー自身から症状を聞いたはずなのに薬を与え続けたバンクスを責めた。
エミリーに疑念を抱き調べてみると、駐車場の事故の際にシートベルトをしていたこと、彼女が語った症状に関する表現が本の引用であったことなど、詐病が疑われる事実が次々と明らかになった。
さらにアブリクサの製薬会社の株価は大暴落し他社株が急騰していると知り、エミリーが金を得るために仕組んだと確信するバンクス。
しかし検察は彼女の口座に不審な大金はなく判決は覆せないと取り合わず、妻やかつての同僚からも理解は得られなかった。

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復讐

行き詰ったバンクスがエミリーの施設を訪ねると、面会記録にシーバートの名があった。
シーバートを不審に思った彼は監視と薬を増やすと宣告するが、その後シーバートから嫌がらせを受け、エミリーの退院を要求された。

2人が共謀していることが明白となり、バンクスはシーバートにエミリーが全て話したと嘯き、面会や電話を禁じるよう施設に手を回す。
エミリーには、シーバートが裏切って彼と手を組んだように見せかけ、厄介払いのためにエミリーを電気ショック療法にかけようとしていると思わせた。

追い詰められたエミリーは、バンクスにすべてを告白する。
かつて、裕福で恵まれた結婚生活が破綻し全てを失った彼女は、シーバート医師を訪ね、すぐに深い仲になった。
そしてシーバートとともに、自分を破滅に追いやった夫を殺害し、大金を得る計画を目論んだのだ。
シーバートはエミリーに病気や薬について教え、エミリーは夫から学んだ株の知識を利用した。

バンクスと取引をして退院したエミリーは、シーバートの証券詐欺と殺人共謀に関する告白を録音し彼女を逮捕させた。
その後、エミリーは退院の条件通りバンクスのオフィスへ通うが、彼はさらに強い副作用の抗精神病薬を処方し、服用の検査をすると言う。
激しく抵抗するエミリーを、施設に送り返すのは容易いことだった。
そしてバンクスは元の平穏な生活を取り戻した。

Source: https://www.youtube.com/watch?v=ND2yYzAYDDY

監督&キャスト

監督は「オーシャンズ」シリーズ(2001年~2007年)などのスティーヴン・ソダーバーグ
26歳の処女作「セックスと嘘とビデオテープ」(1989年)でカンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞、「トラフィック」(2000年)で第73回アカデミー賞監督賞を獲得。
一癖ある社会派でありながらエンターテインメント性の高い作品を多く生み出しています。

本作も現代版ヒッチコックと評され、ソダーバーグ監督らしい上質な演出で最後まで飽きさせません。
静かな展開ではありますが、精神科医ならではの捻りの効いた心理戦復讐劇です。

ちなみに監督は本作で引退宣言をして、その後テレビ業界で活躍していましたが、4年後には復活!まだまだソダーバーグ作品を楽しめそうです。

Source: https://www.youtube.com/watch?v=ND2yYzAYDDY

主演は相変わらずセクシーなジュード・ロウ
「リプリー」(1999年)でアカデミー賞助演男優賞、「コールド マウンテン」(2003年)でアカデミー賞主演男優賞にノミネート。ソダーバーグ監督の「コンテイジョン」(2011年)ではイカレた陰謀論者を熱演しました。
本作では実直な精神科医という抑えた役どころながら、知的でスマートなのはもちろん、追い詰められる様や、こめかみに血管浮き立たせる気迫ある演技もさすがです。

エミリーには、「ドラゴン・タトゥーの女」(2011年)、「キャロル」(2015年)などのルーニー・マーラ
愛らしくうつろで儚く、そして執着と狂気を秘めた彼女の存在感が、作品の雰囲気を作り上げています。

眼鏡姿も麗しい女医バンクスは、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ
「シカゴ」(2002年)で第75回アカデミー賞助演女優賞を受賞しました。

あっさり死んじゃう夫マーティン役のチャニング・テイタム
ソダーバーグ引退撤回後の劇場版第一弾「ローガン・ラッキー」(2017年)などでも監督とタッグを組んでいます。

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