映画「オールド」-そのビーチでは一日で老いる!シャマラン監督の衝撃タイム・スリラー
家族旅行で美しいビーチを訪れた一家。しかし、そこは恐るべき謎と陰謀に包まれていた。
「シックス・センス」(1999年)のM・ナイト・シャマラン監督が仕掛ける新感覚タイム・スリラー。
製作年:2021年
製作国:アメリカ
上映時間:108分
監督・脚本:M・ナイト・シャマラン
出演:
ガエル・ガルシア・ベルナル
ヴィッキー・クリープス
ルーファス・シーウェル
アレックス・ウルフ
トーマシン・マッケンジー
※本記事にはネタバレ、結末が含まれています。
映画「オールド」のあらすじ
キャパ夫妻は11歳の娘、6歳の息子とともにビーチリゾートにバカンスへやってくる。
問題を抱える夫婦だったが一家で楽しく過ごそうと、ホテルの支配人に勧められプライベートビーチへ足を運ぶことに。
キャパ夫妻のほか、外科医夫妻と幼い娘、高齢の姑と飼い犬、さらに有名ラッパー、看護師夫妻がビーチに招かれていた。
そのビーチはまさに目を見張る絶景。
楽園のようなビーチでそれぞれ思い思いに過ごし始める。
しかし、若い女性の遺体が流れ着き、一同はにわかにパニックに陥った。
その最中、外科医の母と飼い犬が急逝。そして、子どもたちに異変が訪れる。
幼児だった子どもたちがティーンエイジャーに成長していたのだ。
何らかのウィルス感染かと思われたが、次第に大人たちも老いていく。
この数時間で女性の遺体が白骨化していることから計算すると、そこでは時間が恐ろしいスピードで進んでいた。
陸路でも海からも、ビーチを離れようとすると意識を失ってしまい、逃げ出すこともできない。
精神疾患を患う外科医は錯乱してラッパーを殺害し、脱出を図る者が次々命を落としてく。
そして、このビーチに集った人々にはある共通点があることが分かるが…。
スタッフ&キャスト
監督・脚本はM・ナイト・シャマラン。
1992年に映画監督デビューし、「シックス・センス」(1999年)でアカデミー賞作品賞、監督賞、脚本賞にノミネートされました。
「アンブレイカブル」(2000年)、「レディ・イン・ザ・ウォーター」(2006年)など多数のヒット作を手掛けています。
自身の監督作品にはほぼ出演もしており、本作でも運転手役を演じています。
一家の父親ガイを演じるのは、メキシコの俳優、ガエル・ガルシア・ベルナル。
「モーターサイクル・ダイアリーズ」(2004年)で主人公チェ・ゲバラを演じたほか、「リメンバー・ミー 」(2017年)での声の出演などでも知られています。
母親プリスカ役は、ヴィッキー・クリープス。ルクセンブルク出身の彼女は、ダニエル・デイ=ルイスと共演した「ファントム・スレッド」(2017年)での若妻役が賞賛され、一躍注目されました。
ティーンエイジに成長した息子トレントは、「ジュマンジ」シリーズ(2017年、2019年)、「ヘレディタリー/継承」(2018年)などで知られる人気若手俳優アレックス・ウルフが演じています。
ティーンエイジの娘マドックス役はトーマシン・マッケンジー。
「足跡はかき消して」(2018年)「ジョジョ・ラビット」(2019年)などの演技が絶賛され、今後の活躍が期待される若手女優のひとりです。
ほか、ルーファス・シーウェル、アビー・リー・カーショウ、ケン・レオンなどが出演しています。
ビーチなのに息が詰まる!
本作は2021年公開、M・ナイト・シャマラン監督による新感覚タイム・スリラーです。
そのビーチでは1時間が2年。急速な時間の流れの中に足を踏み入れた一家に襲いかかる恐怖とサバイバル。
シャマラン監督ならではの緻密で丁寧な伏線、次々と畳み掛ける衝撃的な展開で、質の高いミステリーになっています。
時の流れを巧みに活かした様々な演出により、ワンシチュエーションながら全く飽きさせません。
あっという間の妊娠出産、瞬く間に膨れ上がる腫瘍の摘出手術といったショッキングなシーンの数々。
また、離婚間近で口論をしていた夫婦は年老いて目や耳が悪くなり、穏やかに和解していきます。
コロナ過において撮影されたという本作は、時間や家族の大切さを訴えかけ、そして否応なしに老いることについて考えさせられる1本です。
映画「オールド」を見るなら
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※2022年3月の情報です。最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。